2016年11月7日月曜日

マダラテッポウエビ Alpheus pacificus Dana, 1852

千葉県の磯で採集しました。


Alpheus pacificus Dana, 1852 マダラテッポウエビ

テッポウエビ属は分類学的問題を抱えた分類群であり、非常に多くの未記載種、隠蔽種の存在が報告されています。

今回採集したマダラテッポウエビは日本近海以外にもインド洋、西太平洋で報告されており、広範囲に分布しています。

同所的にイソテッポウエビ近似種が見られましたが、体色が異なる点と大鉗の形状で容易に判別できます。

<文献>
林 健一 (1998)
日本産エビ類の分類と生態(102)
テッポウエビ科ーテッポウエビ属(11)
海洋と生物20(5)


2016年7月12日火曜日

テッポウエビ科 ムラサキエビ属の2種


千葉県のとある河口、磯で採集しました。




















アシボソヨコシマムラサキエビ Athanas dimorphus





















セジロムラサキエビ Athanas japonicus

どちらも転石下から採集しました。

<文献>
林 健一 (1994)
日本産エビ類の分類と生態(80〜83)
テッポウエビ科ーテッポウエビモドキ属・ムラサキエビ属
海洋と生物95〜97


2016年6月17日金曜日

コメツキガニ Scopimera globosa De Haan,1835

岡山県のある干潟で採集しました。
10〜20cmの巣穴を作り、干潮時に現れます。
砂をすくい、転がしながら有機物のみこして食べます。
そのため巣穴付近には多くの団子状の塊が放射状に並びます。


















Scopimera属(コメツキガニ属)は14種が報告されており、
日本では2種 or 3種(?)報告されています。

Scopimera globosa De Haan, 1835 コメツキガニ
Scopimera ryukyuensis Wong, Chan & Shih, 2010 リュウキュウコメツキガニ
Scopimera tuberculata Stimpson, 1858 (S. globosaのシノニムの可能性あり)

S. globosa S. ryukyuensis は形態が似ていますが、頭胸甲で判別が可能です。
・頭胸甲の鰓域が盛上がっている。
・眼窩外歯が突出し、眼窩外域が真っすぐ。
この2つの形態的特徴をもつのがS. ryukyuensisになります

S. ryukyuensisもいつか採集して比較したいと思っています。

間違い等ありましたら訂正致します。

<引用文献>

Wong, K.J.H., Chan, B.K.K. & Shih, H.-T. (2010) 
Taxonomy of the sand bubbler crabs Scopimera globosa De Haan, 1835, and S. tuberculata Stimpson, 1858 
(Crustacea: Decapoda: Dotillidae) in East Asia, with description of a new species from the Ryukyus, Japan. 
Zootaxa, 2345, 43–59.

Wong, K.J.H., Shih, H.-T. & Chan, B.K.K.  (2011)
Two new species of sand-bubbler crabs, Scopimera, from North China and the Philippines 
(Crustacea: Decapoda: Dotillidae)
Zootaxa, 2962, 21-35


2016年6月8日水曜日

テッポウエビモドキ Betaeus granulimanus Yokoya, 1927

千葉県のとある磯で採集しました。
よく知られているテッポウエビの音をならすことができません。
写真は少し加工してあります。
















Betaeus属は16種報告されており、日本では2種が報告されています。

B. granulimanus Yokoya, 1927
B. gelasinifer Nomura and Komai, 2000


この2種は、第一胸脚の掌節で判別が可能です。
・掌節腹側に浅い窩がある。
・掌節表面に顆粒状の突起がない。
この2つの形態的特徴をもつのがB. gelasinifer となります。

B. gelasinifer もいつか採集して比較したいと思っています。

間違い等ありましたら訂正致します。

<引用文献>
A. Anker & J. A. Baeza, 2012
Molecular and morphological phylogeny of hooded shrimps, genera Betaeus and Betaeopsis (Decapoda, Alpheidae): Testing the center of origin biogeographic model and evolution of life history traits.  
Molecular Phylogenetics and Evolution. 64,401–415.     


Nomura, K & Komai, T, 2000
A new alpheid shrimp of the genus Betaeus from the Pacific coast of central Japan (Crustacea: Decapoda: Alpheidae). Crustac. Res. 29, 45–57.

初投稿

とあるエビの分類などの研究をしていた修士時代からはや2年。。。

やっぱりエビカニが好きだということではじめてしまいました。

採集した甲殻類などについて書いたり、写真をのっけたりします。

アマチュアですので間違いが多々あると思います。
間違いがありましたら訂正致します。


どこまでつづくか。。。